当店のあられは、昔ながらの作り方を大切に守っています。

原料のもち米は、国内産の水稲もち米を使用し、玄米で仕入れ低温倉庫での品質管理にはじまり、精米から製品の焼き上げまでの一貫生産をしています。

精米→ ひと晩水に浸す → せいろ蒸し → 石臼でもちつき → 冷蔵庫で固める → 切断

精米
精米

自家精米した原料を使用します。
もち米は年1回の農作物で、その年その年の作柄に
違いがあります。
当然、産地や銘柄(品種)によっても性質はまちまちで、
原料米選びは一番大切です。
蒸篭蒸し
蒸篭(せいろ)蒸し

ひと晩水に浸したもち米を蒸します。
水を切ったもち米を昔ながらのヒノキの蒸篭をつかって蒸します。
これは、もち米の風味を逃がさない最も理にかなった方法で、
この画像は3段に重ねていますが、下から順に蒸しあがったものを
搗いていきます。
その時々のもち米の性質から蒸し具合も微妙に調整していきます。
石臼で杵つき

石臼(いしうす)で杵つき

臼(うす)は、石臼を使います。
御影石の石臼を使うことにより、蒸しあがったもち米を、適度な温度に保つことが出来、重量のある杵で搗くことにより、きめの細かい、弾力性のある良いお餅に仕上げることが出来ます。
蒸しあがったもち米を臼に入れたところですが、
右下に少し見えるのが自慢の石臼(御影石)です。
上の白い部分が杵で、お餅がくっつきにくいようにテフロンが使われています。
ご覧のように、丸粒から搗いていきます。

手返し
手返し

餅つきの最中です。
杵は一定の間隔で落ちてきますが、
このように、手返しで一臼づつ丹念にもちを搗いていきます。
つき具合を、手の感触で確かめるのも重要なことで
手水の量によっても製品の出来を左右します。

棚干しの乾燥
棚干しの乾燥

送風機で風を送りながら乾燥させていきます。
天候任せですので、その日により乾き具合が変わりすが、あらかじめ、天気予報により作業日程を決めて行きます。
むら無く干し、乾き具合を確かめるため手作業でじっくり仕上げます。
遠赤釜
遠赤釜

焼き工程です。独自の工夫を施した焼き釜で
左が寝かせておいた生地を入れたところで、右のざるに
見えるのが焼き上がったばかりのあられです。

乾燥 → 出来上がった生地 → 寝かせ → 焼き上げ → 製品【あられ】の出来上がり。

このようにして、手間ひまかけて約2週間、たえず職人の目と手と技で仕上げてゆきます。

もち米も年1回の農作物で、その年その年の作柄に違いがあります。

又、新米の時期(11月〜12月)と、端境期(9月〜10月)でも違ってきますし、さらに、あられに加工する時期の気候にも左右されることからけっして気が抜けません。

米の蒸し加減や、つき加減を微妙にかえながら対応していきます。

焼き加減も最後の勝負どころです。

こうした性質を見極めながらより均一な商品に仕上げていくのです。

一年間をとおして全く同じ商品を作るのは至難の業で、夏場のあられは軟らかく、冬場のあられは硬いと言われる所以です。

こうした季節による微妙なちがいも、昔ながらの作り方からおこるもので味わう楽しみのひとつと考えられます。

だからこそ、出来上がった商品はおいしく召し上がっていただきたい。

これが当店の願いでもあり、喜びです。詰め置きの在庫はもたず、だいたいお買い上げ戴く量にあわせて、寝かせてある生地を焼いていきます。

残念ですが完全な“焼きたて出荷”には至っていませんが、ご注文の日によっては、焼きたての時があります。

もともと、あられは保存のきくお菓子ですが、当店ではできれば早い目にお召し上がりくださるように
お願いしています。

それは、焼きたてに近いほど風味が良いですし、そのために最大限の注意をはらっています。

美味しいあられの条件として、良い原料を使用することが、何より大事なことですが、
味を左右する大事な工程があります。
それは、蒸しと搗きです。
このときの道具が、もち米を蒸す“せいろ”(蒸し器)と、もちを搗く(つく)ときの“石うす”です。
せいろは、檜(ひのき)のせいろを使うことで、もち米独特の甘い香りに檜の香りが合わさり、味わいに余韻が残ります。
また、せいろの底に敷く“簾”(す)は、奈良県で採ったもので節と節のあいだを利用して店主自らが織ったものを使います。

永年使用した檜(ひのき)のせいろ
新調した檜(ひのき)のせいろ
手織りの簾